物質と生命
最初は小さな波だった。
その波は波紋として広がり、跳ね返り、重なり合って、
やがて揺らぎは渦へと大きくなっていった。
渦から銀河が生まれ、星が生まれ、大気が生まれ、海が生まれた。
それら渦巻くすべてのものたちは、変化しながらも、渦としての形を保ち続けている。
生命は、そんな変化と安定という法則の中で生まれたひとつの過程である。
渦巻く海の中で、
自己と世界を区切る膜が生まれ、
自己を複製し、存続するための遺伝子が生まれ、
それらをあわせ持つ、細胞というひとつの生命が生まれたかと思うと、
細胞同士が共生し合い、多細胞生物というより大きなひとつの生命へと進化した。
この世界には、ある方向性が与えられている。